米国の水爆実験で漁船が被曝(ひばく)した「ビキニ事件」から来年で70年。事件の歴史をさまざまな視点から描く演劇「わが友、第五福竜丸」が17日から東京など各地で上演される。劇団「燐光群(りんこうぐん)」主宰で、劇作家・演出家の坂手洋二さん(61)が2年以上かけて準備した。
1954年3月1日に米国が太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験で、静岡県焼津港のマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝した。事件は広島や長崎をはじめ、全国で原水爆禁止運動が起きるきっかけとなった。
その後、船は保存運動により廃棄を免れ、76年から東京・夢の島の都立第五福竜丸展示館で展示されている。水爆実験の周辺海域には延べ約1千隻の日本漁船が操業していたといい、高知の元漁船員らが国に補償を求めるなどの訴訟が東京と高知の地裁で今も続く。
演劇は展示館や漁師町などを…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル